STORMのゲーミングPCは、SNSや口コミで「高い」と言われることがあります。
たしかに、幻界2のようなハイエンドモデルは、見た目にもこだわったインテリアのような仕上がりで、価格も高めです。
一方で、風域2のようなエントリーモデルは、他社の同構成モデルよりも安く収まるケースもあります。
つまり、STORMのPCが一律に高いというよりも、モデルによって立ち位置が大きく異なるというのが実情です。
なぜこの価格になるのか。この記事を読み終える頃には、きっと納得できるはずです。
STORMのPCは本当に高いのか?価格だけ見た場合の結論
先に結論からお伝えすると、価格だけを比較した場合、STORMのPCが一方的に高いというわけではありません。
ただし、モデルによって価格帯に差があるのは事実。
STORM内でも、幻界2のようなハイエンド機と、風域2のようなエントリー機とでは、価格帯そのものが大きく異なります。
実際に、Ryzen 7 9800X3D、RTX 5070、メモリ32GB、SSD1TBという同じ構成で価格を比較してみました。
| 価格 | マザーボード | CPUクーラー | 電源 | |
| STORM 幻界2 | 449,900円 | B840 | 360mm液晶付き簡易水冷 +12.3インチ液晶 |
850W GOLD |
| STORM 風域2 | 339,800円 | A620A | 大型空冷 | 850W GOLD |
| 他社A | 389,980円 | B850 | 240mm簡易水冷 | 750W GOLD |
| 他社B | 413,800円 | B850 | 120mm空冷 | 750W GOLD |
| 他社C | 454,800円 | B850 | 240mm簡易水冷 | 750W GOLD |
| 他社D | 392,800円 | A620A | 120mm空冷 | 850W PLATINUM |
※2026年8月時点の価格です。価格やスペックは変更される場合があります。
こうして比較すると、風域2は他社の同構成モデルよりも安い価格に収まっていることが分かります。
一方の幻界2は、他社の中でも高めの価格帯に位置しています。
ただし、CPUクーラーに360mmの液晶付き簡易水冷を採用し、ケース内には12.3インチのLCDスクリーンまで搭載されています。
他社の同価格帯モデルには、ここまでの装備が含まれていないケースがほとんどです。
単純な価格の高さだけでなく、その価格に何が含まれているかまで見ないと、正確な比較にはならないと言えるでしょう。
POINT
同じ構成で比較すると、エントリーモデル「風域2」は他社より安い価格に収まります。一方、上位モデル「幻界2」は価格が高めですが、液晶付き簡易水冷やケース内蔵ディスプレイなど、価格差に見合う装備が含まれています。
では、幻界2がこの価格になる理由を、もう少し詳しく見ていきましょう。
次の章で、価格の内訳を掘り下げます。
なぜこの価格なのか?丁寧な作り込みの理由
STORMのPCの価格は、パーツ代以外に検品や配線などの組み立て工程の費用も入っています。
これは幻界2に限った話ではなく、STORMのモデル全般に共通する特徴です。
一例として、幻界2を分解してみたときの様子を紹介します。
側面パネルを外すと、裏側にケーブルがきれいにまとめられていました。

配線がここまで整理されているBTOパソコンは、正直あまり見かけません。
見えない部分にまで手を抜かない姿勢は、実際に裏側のパネルを外してみて初めて実感できるものです。
幻界2のホワイトモデルでは、マザーボードの配線が背面コネクタ仕様になっており、表からケーブルがほとんど見えません。
さらに、マザーボード基盤やメモリまでカバーで隠す徹底ぶりです。

背面コネクタに対応したマザーボードやケースは、通常仕様よりも部品コストが高くなる傾向があります。
こうした仕様は、幻界2の価格が他モデルより高めになっている理由のひとつでもあります。
見た目の美しさのために、あえてコストのかかる仕様を選んでいるとも言えるでしょう。
こうした組み立てや検品にかかる手間は、スペック表には表れません。
ベンチマークの数値だけを見て価格を比較すると、STORMのPCは「同じ性能なのに高い」と感じられることがあります。
POINT
STORMのPCの価格には、パーツ代だけでなく、配線処理や検品といった組み立ての手間も含まれています。これはどのモデルにも共通する特徴ですが、幻界2のように背面コネクタ仕様までこだわったモデルは、その分価格も高めになります。
こうした丁寧な作り込みを支えているのが、マザーボードなどに採用されるMSI製パーツとの強い連携です。
次の章で、Powered by MSI認定について見ていきます。
MSIとの強い連携 — Powered by MSI認定とは
STORMは、MSIとの結びつきが強いBTOメーカーです。
MSIの新製品を、比較的早い段階から採用している印象があります。
その象徴とも言えるのが「Powered by MSI」認定です。
これは、MSI製パーツをどれだけ搭載しているかによって、3段階のグレードが用意されている認定制度です。
| グレード | 条件 |
ESSENTIAL |
MSIマザーボード+他1点以上(MSI製パーツ2点以上) |
ADVANCED |
MSIマザーボード+グラフィックボードを含め4点以上 |
ULTIMATE |
MSI製パーツ6点以上 |
幻界2は、マザーボードに加えてPCケースもMSI製のため、ESSENTIALに該当する構成です。

この認定は、単にMSI製パーツを搭載すれば得られるものではありません。
STORMを運営する株式会社アイティーシーは、MSI認定パートナー企業として、負荷テストなどの検証を重ねたうえでPCを製造しています。
検証で見つかった問題はMSI側にフィードバックされ、MSIの技術者との定期的なミーティングを通じて品質改善も行われています。
言い換えると、第三者であるMSIからも一定の品質を認められているということになります。
POINT
Powered by MSI認定は、搭載パーツの数だけで決まるものではありません。STORMを運営する株式会社アイティーシーはMSI認定パートナー企業として負荷テストなどの検証を重ね、問題があればMSI側にフィードバックする関係を築いています。幻界2はマザーボードとPCケースがMSI製のため、ESSENTIAL相当の構成です。
では、STORMがなぜMSIのパーツを選び続けているのでしょうか。
次の章で、マザーボードや電源、グラボの選定基準を見ていきます。
マザーボード・電源・グラボに見るパーツ選定基準
STORMがMSI製マザーボードを採用しているのは、「MSIが一番信頼性が高かった」からです。
品質管理が徹底されており、不良率の低さが決め手になったそうです。

電源には、CWT(Channel Well Technology)というメーカーの製品が採用されています。
あまり知られていないメーカーですが、台湾に拠点を置く電源ユニットの大手企業です。
実はThermaltakeやCorsairといった有名ブランドの電源も、CWTが製造を担っているケースがあります。

グラフィックボードには、INNO3Dが採用されています。
INNO3Dは大手ELSAと技術提携しており、製造を一手に引き受けているメーカーです。
国内の店舗であまり見かけないブランドですが、品質そのものは折り紙付きと言えるでしょう。

こうしたパーツを扱えるのは、STORMを運営する株式会社アイティーシーが、PCパーツの国内正規代理店でもあるためです。
ただし、採用パーツはすべてのモデルで完全に統一されているわけではありません。
時期やモデルによって採用メーカーが変わることもあるため、購入前には公式サイトの仕様欄を確認しておくと安心です。
POINT
STORMはマザーボードにMSI、電源にCWT、グラボにINNO3Dといった、いずれも実績のあるメーカーの製品を採用しています。STORMを運営する株式会社アイティーシーがPCパーツの国内正規代理店であることも、パーツ選定の裏付けになっています。
こうしたパーツ選びの姿勢は、電源容量の設計にも表れています。
次の章で、電源容量と拡張性への配慮を見ていきます。
電源容量・拡張性への配慮
ゲーミングPCの電源は、今のパーツが動けば十分と思われがちです。
ただ、将来グラフィックボードを交換しようとしたとき、電源容量が足りず、電源ユニットごと交換になるケースも珍しくありません。
STORMのPCは、こうした将来的な負荷増加を見込んで、一部のエントリーモデルを除くと850W以上の電源が採用されています。

面白いのは、STORMの公式サイトでは電源容量をカスタマイズ項目として選べないことです。

システム全体の消費電力に対して、あらかじめ十分な容量が組み込まれているためで、初心者が電源容量を自分で計算する手間もかかりません。
POINT
STORMのPCは、将来的なパーツ交換も見据えて、システム消費電力より余裕のある電源容量を標準搭載しています。電源容量を自分で計算する必要がないため、初心者でも構成を選びやすくなっています。
余裕のある電源は、性能面だけでなく、見た目や所持満足度にもつながっています。
次の章で、STORMのPCが持つインテリアとしての価値を見ていきます。
見た目・所持満足度という付加価値
STORMのPCを語るうえで欠かせないのが、液晶ディスプレイを搭載したCPUクーラーです。
多くのモデルで、簡易水冷のヘッド部分に液晶ディスプレイが組み込まれています。

この液晶には、CPU温度や動作クロックなどをリアルタイムに表示できます。
温度確認のためだけに、別途モニタリングソフトを起動する必要がありません。

液晶には画像や動画を映すこともできます。

幻界2はPCケースの内部にも12.3インチのLCDスクリーンを搭載しています。
CPU温度や時計を表示するだけでなく、専用ソフトを使えば好きな画像や動画に切り替えることも可能です。

ここまでくると、もはやパソコンというより、部屋に置くインテリア機器に近い感覚です。
こうした機能は、ゲームのフレームレートには一切影響しません。
性能だけで比較すると、コストのかかる「無駄な装備」に見えてしまうかもしれません。
それでも、日常的にPCを眺める時間が長い人にとっては、所持満足度を大きく左右する部分です。
POINT
STORMのPCは、CPUクーラーの液晶にCPU温度をリアルタイム表示できるなど、性能面以外の満足度にもこだわっています。幻界2のケース内蔵ディスプレイのように、ゲーム性能には直接関係しない装備も、所持満足度の高さにつながっています。
こうした所持満足度の高さは、安いBTOとの違いを考えるときにも参考になります。
次の章で、安いBTOとの違いを整理していきます。
安いBTOとの違い
BTOパソコンの価格を比較するとき、見落としやすいのが基本構成の違いです。
価格を抑えたBTOパソコンでは、メモリ16GB・SSD500GBといった構成が基本仕様になっていることがあります。
一見すると価格が安く見えても、メモリやSSDの容量が足りないと感じることは少なくありません。

STORMの場合、一部のモデルを除くと、メモリ32GB・SSD1TBが基本構成になっています。
そのため、購入画面に表示される最初の価格自体が、他社の基本構成より高くなりやすいです。
ただし、この初期価格だけで判断するのは早計かもしれません。
大切なのは、最終的に同じ構成まで揃えたときの価格です。
基本構成が控えめなBTOパソコンでも、メモリ32GB・SSD1TBまでカスタマイズすると、追加費用でSTORMの価格と同等、あるいはそれ以上になることがあります。
先ほどの価格比較表でも、同じ構成で揃えた場合、STORMのPCが必ずしも高いわけではないことが分かりました。
POINT
価格を抑えたBTOパソコンは、メモリ16GB・SSD500GBが基本構成になっていることがあります。STORMはメモリ32GB・SSD1TBの構成が多いため初期価格は高く見えますが、同じ構成まで揃えて比較すると、価格差は縮まる、または逆転することもあります。
では、STORMにもエントリーモデルはあるのでしょうか。
次の章で、風域2を例に紹介します。
エントリーモデル「風域2」に見るSTORMのコスパ実例
ここまで紹介してきたのは、幻界2のようなハイエンドモデルを中心とした内容でした。
STORMには、価格を抑えたエントリーモデル「風域2」というラインナップもあります。

| 項目 | 風域2の仕様 |
| 価格帯 | 149,800円〜309,800円 |
| CPU | Ryzen 5 7500F〜Ryzen 7 9800X3D、Core Ultra 7 265K |
| グラフィックボード | RTX 5070/RTX 5060Ti(8GB・16GB)/RTX 5060/RX 9060XT 16GB |
| メモリ | 16GB/32GB/64GB |
| SSD | Gen4 1TB・2TB |
| 電源 | 下位:650W 80PLUS BRONZE / 上位:850W 80PLUS GOLD |
※2026年8月時点の情報です。仕様は変更される場合があります。
CPUクーラーやメモリ、SSDは購入時にカスタマイズが可能です。

先ほどの価格比較表を見直すと、風域2は同じ構成の他社モデルよりも安い価格に収まっていました。
つまり、STORMのPCがコスパの面で不利になりやすいのは、幻界2のような装飾性の高いモデルに限った話とも言えます。
エントリーモデルであれば、価格面でも十分に張り合えるラインナップが用意されています。
予算に応じてどこまで妥協できるかは、価格帯別にできることをまとめた記事も参考にしてみてください。
POINT
エントリーモデル「風域2」は、同じ構成で比較すると他社モデルより安い価格に収まります。「STORMは高い」というイメージは、幻界2のような装飾性の高いモデルの印象が強いだけかもしれません。
最後に、ここまでの内容を踏まえて、STORMのPCが向いている人について整理します。
STORMのPCが向いている人
ここまで、STORMのPCがなぜこの価格になるのかを見てきました。
価格だけで比較すると、幻界2のような装飾性の高いモデルは、コスパが良いとは言いにくい面があります。
一方で、風域2のようなエントリーモデルは、他社と比べても十分に張り合える価格帯です。
つまり、STORMのPCが向いているかどうかは、選ぶモデルと、何を重視するかによって変わってきます。
特にこんな人におすすめ
①パーツの信頼性を重視したい人
②見た目やインテリア性も楽しみたい人
③将来的なアップグレードの余地を残しておきたい人
こうした人にとって、STORMのPCは価格以上の満足感を得やすいはずです。
初期費用を抑えたいなら風域2もおすすめ
①とにかく初期費用を抑えたい人
②見た目よりも性能を重視したい人
このタイプの人は、幻界2のようなハイエンドモデルではなく、風域2のようなエントリーモデルを検討してみてください。
同じCPU・GPUの構成でも、風域2ならコストを抑えつつ、STORMならではのパーツ品質はそのまま享受できます。
STORMを運営する体制や品質管理について、さらに詳しく知りたい方は、正規代理店・国内組み立てへのこだわりを解説した記事もあわせてご覧ください。
保証やサポート面が気になる方は、BTOパソコンの保証・サポート比較も参考になります。
POINT
STORMのPCは、パーツの信頼性や見た目、所持満足度を重視する人に向いています。初期費用を優先したい人は、風域2のようなエントリーモデルを検討するとよいでしょう。
STORMでは、この記事で紹介したようなハイエンドモデルからエントリーモデルまで取り扱っています。

ゲーミングPCやPCパーツが大好き。自作PC歴は20年以上で、何台もPCを壊してきました。。。
その分PCに詳しくなり、今では自身のサイト「ゲーミングPC NAVI」を運営しています。
ゲーミングPCやPCパーツのレビューをたくさん公開しているので、こちらも是非ご覧ください。
