「背面コネクタ」や「裏配線PC」という言葉を見かけて、普通のゲーミングPCと何が違うのだろう?と気になった方も多いのではないでしょうか。
マザーボードのコネクター類を背面に集約した、専用設計のPCのことです。
ケース内部からケーブルがほぼ消える、これまでにないスッキリした見た目が最大の特徴と言えるでしょう。
この記事では、仕組みや通常PCとの違い、メリット・デメリットをわかりやすくまとめています。
「気になってはいるけど、どんなものかよくわからない」という方に、読み終えたあと「なるほど、こういうものか」と思ってもらえたら幸いです。
背面コネクタPCとは?普通のゲーミングPCとの違い
背面コネクタPCがどういうものか、まずは仕組みの基本から整理していきます。
※そもそもゲーミングPCとはどんなものかから知りたい方は、先にそちらを読んでおくとスムーズです。
近年、側面がガラスパネルのPCケースが普及し、PC内部を外から見せるスタイルが広まりました。

それとともに「内部をきれいに見せたい」というニーズが高まり、登場したのが裏配線専用設計のPCです。
通常PCと何が違うのか
通常のゲーミングPCでは、電源ケーブルやCPU補助電源ケーブル、ファンケーブルなどがマザーボードの表面に接続されます。
ガラスパネル越しに内部を見ると、複数のケーブルが配線されている状態になるのが一般的です。

背面コネクタPCでは、これらのコネクター類がマザーボードの背面に集約されています。

ケーブルが表側に出てこないため、ケース内部がほぼ何もない状態に見えるのが最大の違いです。

背面コネクタPCに必要なもの
背面コネクタPCの核となるのが、コネクター類を背面に配置した専用のマザーボードです。

このマザーボードを使う場合、背面からケーブルを接続できる構造の専用ケースが必須になります。
コネクターが背面に移動しているため、対応ケースがないと物理的に配線ができません。

POINT
専用ケース自体は通常のマザーボードでも使用できるため、ケースだけを先に購入しても問題ありません。
代表的なシリーズ
背面コネクタ専用設計のマザーボードを展開しているのは、主にMSIとASUSの2社です。(2026年4月現在)
MSIは「Project Zero」とPROシリーズの一部、ASUSは「BTF(Back to Front)」シリーズとして製品を展開しています。

どちらも専用の対応ケースとセットで使うことを前提とした設計で、各社が対応ケースも用意しています。

対応ケースはCorsairなど他のメーカーからも発売されており、選択肢は少しずつ広がっています。
| 通常のゲーミングPC | 背面コネクタPC | |
| 内部の見た目 | ケーブルが見える △ | スッキリきれい ◎ |
| マザーボード | 一般的なマザーボード ◎ | 背面コネクター専用設計 〇 |
| 対応ケースの選択肢 | 豊富 ◎ | 限定的(増加中) 〇 |
| エアフロー | ケーブルが邪魔になる場面も 〇 | ケーブルが邪魔しない ◎ |
※上記は参考目安です。製品や構成によって異なる場合があります。
背面コネクタPCの主なメリット
背面コネクタPCには、見た目以外にも実用的な利点があります。
ここでは代表的な3つを紹介します。
① 内部がスッキリして見た目が劇的に変わる
背面コネクタPCの最大の魅力は、ケース内部の見た目の変化です。
通常のPCでは、電源ケーブルやCPU補助電源ケーブルなど、複数のケーブルがケース内部に張り巡らされています。

背面コネクタPCではそれらがほぼすべてマザーボードの背面に隠れるため、ケース内部には広々とした空間だけが残ります。
さらに、STORMのBTOパソコンは、ハンダ付け後やマザーボードの表面をできるだけ隠すプレートを装備。
よりスッキリした見た目で、スタイリッシュに仕上げています。

背面コネクタの裏配線とガラスパネルのケースは、RGBライティングやドレスアップパーツの見栄えも大きく向上します。
見た目にこだわりたい方にはピッタリの1台となるでしょう。
② エアフローの改善が期待できる
エアフローとは、ケース内部の空気の流れのことです。
通常のPCはケーブルが束になっているため、ファンが送り込む空気の流れを邪魔することがあります。

背面コネクタPCではケーブルがPCケースの背面に移動するため、ケース内部に余計なものがなく、空気が素直に流れやすくなります。
エアフローが改善されると、CPU・GPUの温度も下がりやすくなり、安定したパフォーマンスを引き出しやすくなるでしょう。
③ 組み立てやメンテナンスがしやすくなる
自作PCを経験したことがある方なら、配線作業の大変さはよくわかるのではないでしょうか。
ケース裏からケーブルを引き回して表側のコネクターに接続し、できるだけきれいに見えるようにレイアウトも考える…。
慣れていても、それなりに時間がかかる作業です。
背面コネクタPCでは、コネクター類がケース右側面からまとめてアクセスできるため、配線作業の大部分が一か所で完結します。
メンテナンス時もケース内部にケーブルが絡まっていないため、各パーツやコネクタへのアクセスも容易です。

専用ケースには配線をまとめるための構造があらかじめ備わっており、初めての組み立てでも整理しやすい作りになっています。
背面コネクタPCのデメリット・注意点
魅力的な裏配線PCですが、いくつか知っておきたい点もあります。
購入前に確認しておくと、選びやすくなるでしょう。
専用マザーボードと対応ケースの組み合わせが必要
背面コネクタPCを実現するには、背面コネクター対応のマザーボードと専用ケースが必要です。
通常のPCと比べると、マザーボードとケースの組み合わせに制約があるのは理解しておきたいところです。
特に自作の場合は、対応しているかどうかを事前によく確認する必要があります。
BTOモデルであれば最初から最適な組み合わせで設計されているため、この点を気にする必要はありません。
選択肢がまだ限られている
背面コネクタPCに対応したマザーボードやケースは、通常のパーツと比べるとまだ数が多くありません。
現時点(2026年4月現在)では、MSI「Project Zero」シリーズとASUS「BTF」シリーズが主な対応製品となっています。
対応ケースも各メーカーから少しずつ増えてきていますが、選べる幅はまだ狭いのが現状です。
ただし、この分野は年々広がりを見せており、今後さらに選びやすくなっていくと考えられます。
通常モデルより価格が高め
専用設計のマザーボードやケースを使用するため、同スペックの通常PCと比べると価格はやや高くなる傾向があります。
これは、専用パーツの開発・製造コストが反映されているためです。
ただし、見た目の変化や組み立ての快適さを考えると、その差に納得できる方も多いでしょう。
POINT
デメリットのほとんどは、自作でパーツを選ぶ際に意識が必要な内容です。BTOモデルは対応パーツの選定や組み合わせがあらかじめ整っているため、購入後すぐに背面コネクタPCの魅力を楽しめます。
背面コネクタPCに向いている人・向いていない人
背面コネクタPCがすべての人に向いているわけではありません。
どんな方に合っているのか、整理してみます。
こんな人に向いています
PCの見た目にこだわりたい方には、特に向いているでしょう。
ガラスパネルのケースを使ってPC内部を見せるスタイルを楽しみたい方や、RGBライティングをきれいに映えさせたい方には、裏配線PCは魅力的な存在です。

また、自作PCで配線作業の煩わしさを経験した方にも向いています。
コネクター類が一か所にまとまった作りは、組み立ての手間を大きく減らしてくれます。
「きれいな内部のPCを組んでみたい」と思っていた方には、ぴったりと言えるでしょう。
こんな人は通常モデルでも十分
一方、見た目よりも性能やコスパを重視したい方には、通常のゲーミングPCで十分な場面もあります。

背面コネクタPCは専用パーツが必要になるため、同じ予算であればより高スペックな通常モデルを選べる場合もあるでしょう。
また、マザーボードやケースを自由に選ぶ楽しみを大切にしたい方には、現状の対応製品の少なさが少し物足りなく感じるかもしれません。
「見た目より中身で選びたい」という方は、まずは通常のゲーミングPCから検討してみるのもよいでしょう。
自作とBTO、どちらで選ぶ?
背面コネクタPCを手に入れる方法は、自作とBTOの2つがあります。
どちらにも良さがあるので、自分のスタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。

自作の場合、マザーボードやケースを自分で選んで組み上げる楽しさがあります。
ただし背面コネクタPCは対応パーツの組み合わせが前提になるため、通常の自作よりも事前の下調べが必要になります。
パーツ同士の互換性をしっかり確認したうえで進めることが大切です。
一方、BTOモデルは完成品が届きます。
パーツ選定から配線も済んでいるため、届いたその日から背面コネクタPCならではの見た目を楽しめるのが魅力です。
POINT
BTOは初期不良や故障時のサポートもまとめて受けられるため、ゲーミングPCや背面コネクタPCが初めての方にも向いていると言えます。
STORMの背面コネクタPCラインナップ
STORMでは、背面コネクタPC対応モデルを3つのシリーズで展開しています。
それぞれ価格帯やスペックの方向性が異なるため、予算に合わせて選ぶとよいでしょう。
以下はSTORMで販売されている背面コネクタPCの概要です。
| 幻界 | 新界2 | 流界2 | |
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|
| 価格帯 | 約23万〜60万円 | 約29万〜49万円 | 約33万〜61万円 |
| 裏配線対応 | ゴールドモデル ホワイトモデル |
対応 | 対応 |
| スペック傾向 | エントリー〜ハイ | エントリー〜ミドルハイ | 高性能志向・水冷搭載 |
※価格は時期により変動する場合があります。最新の情報はSTORM公式サイトをご確認ください。
幻界|幅広いラインナップから背面コネクタPCを試したい方に

比較的手の届きやすい価格帯から高価格まで、幅広くラインナップされているシリーズです。
ホワイトモデルが背面コネクター対応マザーボードを搭載しており、内部のスッキリした見た目を実現しています。(ブラックモデルは背面コネクター非対応です)
メモリカバーも採用されており、ケース内部の統一感まで細かく作り込まれたシリーズです。
新界2|バランス重視のスタンダードモデル

全モデルが背面コネクター対応マザーボードを搭載しており、背面コネクタPCを迷わず選べるシリーズです。
グラボはRTX 5060からRTX 5070 Tiまで対応。
用途や予算に合わせて選びやすいラインナップになっています。
流界2|見た目も性能も妥協したくない方に

高性能なCPUとGPUに360mm簡易水冷を組み合わせた、スペック重視のシリーズです。
CPUにRyzen 7/9シリーズ、GPUにRTX 5070〜RTX 5080を搭載しており、高負荷なゲームや4K環境にも十分な性能を備えています。
冷却には曲面液晶を搭載した360mm簡易水冷を採用しており、見た目と冷却性能を両立したフラッグシップ構成です。
さらに流界2では、グラフィックボードへの補助電源ケーブルも見えない設計の専用グラボを搭載しています。

通常のグラフィックボードはGPUへの電源ケーブルが表側に残りますが、流界2ではそれも解消。
ケース内部からケーブルが完全に見えない状態を実現しています。

よくある質問
背面コネクタPCは通常のPCより性能が高い?
背面コネクタかどうかは、PCの処理性能とは直接関係ありません。
主な性能はCPUやGPUの種類によって決まるため、通常のPCと比べて速い・遅いということはありません。
自分でパーツを追加・交換できる?
技術的には可能ですが、BTOの保証に影響する場合があります。
自分でパーツを交換・追加する場合は、事前に購入店の保証規定を確認しておくことをおすすめします。
不安な場合は、STORMのサポートに相談してみるとよいでしょう。
届いたときから裏配線の状態になっている?
はい、BTOの背面コネクタPCは最初から裏配線の状態で組み立てられて届きます。
自分で配線作業をする必要はなく、電源を入れればすぐに使い始められます。
パーツを追加・交換した際に配線を変更する場合は、保証への影響を事前に確認しておくとよいでしょう。
どのメーカーの背面コネクタマザーボードが多い?
現在主流なのはMSIの「Project Zero」シリーズとASUSの「BTF」シリーズです。
STORMの裏配線PCにはMSI Project ZeroシリーズやPROシリーズのマザーボードが採用されています。
STORMの背面コネクタPCはどのシリーズを選べばいい?
予算や見た目、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
まず背面コネクタPCを試してみたい方には幻界、バランスよく選びたい方には新界2、性能にこだわりたい方には流界2が向いています。
各シリーズのラインナップはSTORM公式サイトから確認できますのでチェックしてみてください。



